最低賃金の改定と請負単価

最低賃金の改定と請負単価

この記事の概要|読了目安:約13分

令和8年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円となり、10月1日から12月2日にかけて都道府県ごとに発効します。10月1日には、派遣料金の交渉に関する派遣先指針の改正も適用されます。この記事では、請負単価・準委任の委託料・派遣料金のそれぞれに最低賃金がどう入り込み、発注側が契約更新のときに何を確認すればよいかを、厚生労働省と公正取引委員会の資料から整理します。

■ この記事でわかること

  • 最低賃金は全国加重平均で56円上がり、発効日は都道府県によって最大2か月ずれます
  • 特定最低賃金の額が、改定後の地域別最低賃金を下回る地域があります
  • 請負単価は「人数×時給」ではなく、仕事の量や成果で決める形を保つ必要があります
  • 包装の職種では、43都道府県で一般賃金の試算額が最低賃金を下回ります
  • 10月1日から、派遣料金の交渉に一切応じない派遣先の対応は、法の趣旨を踏まえたものとはいえないと明記されます

10月から12月の改定

令和8年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円になります。厚生労働省の「令和8年度地域別最低賃金 答申状況」によると、改定前の全国加重平均は1,121円で、引上げ額は56円です。都道府県ごとの引上げ額は54円から65円で、最も高いのは東京都の1,280円、最も低いのは宮崎県の1,085円です。

発効日は、都道府県によって大きく異なります。同じ答申状況の別紙によると、最も早いのは10月1日で、最も遅いのは沖縄県の12月2日です。発効時期ごとに都道府県の数を数えると、次のようになります。

1510月1日東京・神奈川・愛知・大阪・兵庫など2210月2日〜31日福岡・広島・静岡など711月山梨・徳島・京都など312月岩手・熊本・沖縄都道府県の数10月1日:派遣元・派遣先指針の改正も適用全国加重平均 1,121円 → 1,177円(56円増) 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金 答申状況」より作成
図1 令和8年度地域別最低賃金の発効時期(都道府県の数)

※ 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金 答申状況」の発効日(予定)から集計しました。発効日は、答申後の異議の申出の状況などにより変わる可能性があります。

最低賃金は、年齢や雇用形態にかかわらずすべての労働者に適用されます。また、賃金の計算期間の途中に発効日がある場合でも、使用者は発効日以降の労働について改定後の額以上を支払う必要があります。

同じ10月1日には、厚生労働省の派遣元指針と派遣先指針の改正も適用されます。この改正には、派遣料金の交渉に関する派遣先の留意事項が加わっています。そのため、10月から12月は、外注を使う製造会社にとって単価の見直しを考える材料がそろう時期といえます。

ただし、最低賃金が単価に入り込む経路は、契約形態によって異なります。株式会社永光の事業紹介ページでは、請負・準委任・労働者派遣の三つを「引き受ける対象」と「指揮命令がどこから出るか」の二点で区別しています。この区別が、そのまま最低賃金と単価の関係の違いにもつながっています。

✔ ここがポイント

  • 全国加重平均は1,121円から1,177円へ上がります(56円増)
  • 発効日は10月1日から12月2日まで、都道府県ごとに異なります
  • 10月1日には、派遣料金の交渉に関する指針の改正も適用されます

発効日のずれと複数拠点

発効日がばらつくことは、複数の都道府県に工場や倉庫を持つ会社にとって実務上の問題になります。なぜなら、どの額がいつから適用されるかは、スタッフが働く場所ごとに決まるからです。

労働者派遣については、最低賃金法第13条が明確に定めています。派遣中の労働者には、派遣先の事業場の所在地を含む地域の地域別最低賃金が適用されます。つまり、東京都に本社がある派遣元から熊本県の工場に派遣されるスタッフには、熊本県の額が、熊本県の発効日である12月1日から適用されます。派遣元の所在地の額や発効日ではありません。

請負と準委任の場合、最低賃金を守る義務を負うのは、スタッフを雇用している受託者です。発注者の工場の中で作業が行われる場合でも、スタッフの賃金を決めて支払うのは受託者であり、発注者ではありません。

発注側で起きやすいのは、複数拠点の契約をまとめて更新しようとして、拠点ごとの発効日の違いを見落とすことです。たとえば、全拠点の単価改定を10月1日にそろえた場合、12月に発効する県の拠点では、単価の改定が最低賃金の改定より先に来ます。逆に、改定日を年明けにそろえた場合は、10月に発効する拠点で、受託者や派遣元が上昇分を数か月負担することになります。

! 注意

  • 派遣スタッフに適用されるのは、派遣先の事業場の所在地の最低賃金です
  • 発効日は予定であり、変わる可能性があります。拠点ごとに都道府県労働局の発表を確認してください

特定最低賃金との関係

製造業の場合、地域別最低賃金のほかに、産業ごとの特定最低賃金が定められていることがあります。両方が同時に適用される場合には、使用者は高いほうの額以上を支払わなければなりません。

特定最低賃金は、地域別最低賃金より高い水準が必要と認められた産業について設定される制度です。しかし、特定最低賃金は地域別最低賃金とは別の時期に改定されます。そのため、地域別最低賃金が先に上がると、一時的に特定最低賃金の額を上回ることがあります。

弊社の拠点がある大阪府を例にすると、9月30日時点で大阪労働局のページに掲載されている製造業関係の特定最低賃金は、いずれも10月1日発効の大阪府最低賃金1,231円を下回っています。

特定最低賃金の件名(大阪府) 時間額 効力発生日
はん用・生産用・業務用機械器具製造業ほか 1,197円 2025年12月1日
電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 1,197円 2025年12月4日
自動車・同附属品製造業 1,194円 2025年12月1日
塗料製造業 1,191円 2025年12月4日
鉄鋼業 1,185円 2025年12月1日
非鉄金属・同合金圧延業、電線・ケーブル製造業 1,180円 2025年12月1日

※ 大阪労働局「大阪府の最低賃金のお知らせ」の掲載額です。件名は一部を略しています。

この場合、10月1日以降にこれらの産業で実際に下限となるのは、地域別最低賃金の1,231円です。ここで誤解しやすいのは、「うちは特定最低賃金の対象業種だから、その額で考えればよい」という判断です。特定最低賃金の対象業種であっても、改定の時期によっては地域別最低賃金のほうが高くなります。 他の都道府県に拠点がある場合も、それぞれの労働局のページで両方の額を見比べる必要があります。

! 注意

  • 特定最低賃金は、改定されると額が変わります。契約更新の時期には、各労働局の最新の掲載額を確認してください
  • 最低賃金との比較に使う賃金には、精皆勤手当・通勤手当・家族手当、賞与、時間外・休日・深夜の割増賃金は含まれません

請負単価に入る労務費

最低賃金を守る義務が受託者にあるとしても、請負単価には受託者が負担する労務費が含まれています。したがって、最低賃金の上昇は請負単価の見直しの理由になります。

問題は、見直しの計算の仕方です。厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)に関する疑義応答集」は、発注量が日ごとに変わる場合について次のように整理しています。完成した製品の個数などに基づく出来高での精算は、それだけで偽装請負と判断されるものではありません。一方で、仕事の完成ではなく労働者の人数に関して受発注を行い、投入した労働力の単価をもとに請負料金を精算している場合は、単なる労働力の提供にすぎず、偽装請負と判断されることになるとしています。

この整理を最低賃金の改定に当てはめると、発注側が注意すべき点が見えてきます。請負単価の改定を「1人あたりの時給が56円上がったので、人数×時間で上乗せする」という形で契約に書くと、人数に対して料金を払う構造に近づきます。 最低賃金の上昇は交渉の根拠として使えますが、契約上の単価は、製品1個あたり、工程1ロットあたり、月間の処理量あたりのように、引き受けた仕事の単位で改定する形を保つ必要があります。

準委任は、仕事の完成ではなく「業務の遂行」を引き受ける契約です。ただし、37号告示は契約の名称ではなく実態で判断するため、準委任であっても、受託者が自ら業務の遂行方法を指示し、労働者の配置や労働時間を管理していることが前提になります。委託料の決め方も、業務の範囲と量を単位にする考え方は請負と変わりません。

✔ ここがポイント

  • 請負・準委任では、最低賃金を守る義務を負うのは受託者です
  • 最低賃金の上昇は、請負単価を見直す根拠になります
  • 契約上は「人数×時給」ではなく、仕事の単位で単価を改定します

派遣料金との連動

労働者派遣では、最低賃金と料金の関係がより直接的です。派遣元が労使協定方式を採っている場合、最低賃金のほかにもう一つの下限があるためです。派遣元は、厚生労働省が毎年示す一般賃金の額と同等以上の賃金を労使協定で定めなければなりません。2026年8月28日付の厚生労働省職業安定局長通達(職発0828第5号)は、2027年4月1日から2028年3月31日までに適用される令和9年度の一般賃金を示しました。

通達による一般賃金(基本給・賞与・手当等)は、職種別の基準値に能力・経験調整指数と地域指数を掛けて算出します。地域指数は都道府県ごとに定められており、全国計を100としています。製品検査従事者(金属製品を除く)と包装従事者の「勤続0年」の基準値に、主な都道府県の地域指数を掛けると、次の額になります。

都道府県 改定後の最低賃金 地域指数 製品検査の試算 包装の試算
北海道 1,131円 95.2 1,148円 1,067円
宮城 1,098円 95.9 1,156円 1,075円
東京 1,280円 110.3 1,330円 1,236円
愛知 1,195円 104.0 1,254円 1,165円
大阪 1,231円 106.7 1,286円 1,196円
福岡 1,114円 97.0 1,169円 1,087円
鹿児島 1,090円 90.3 1,089円 1,012円

※ 通達の別添1(賃金構造基本統計調査)の基準値(0年)は、製品検査従事者(金属製品を除く)が1,205円、包装従事者が1,120円です。試算は1円未満を切り上げました。どの職種・統計を使うかは派遣元の労使協定で決まります。

この表から読み取れるのは、包装の試算額が、掲載したすべての都道府県で最低賃金を下回っていることです。47都道府県すべてで同じ計算をすると、包装従事者の試算額が改定後の最低賃金を下回るのは43都道府県になります。製品検査従事者(金属製品を除く)と電気機械器具組立従事者では、下回るのは東北・山陰・四国・九州などの12県です。一方で、機械器具組立(はん用・生産用・業務用)や塗装の職種では、下回る都道府県はありませんでした。

通達は、地域指数を掛けた「基準値(0年)」が地域別最低賃金を下回る場合には、最低賃金の額を基準値として一般賃金を計算し直すよう定めています。そのため、包装のように試算額が最低賃金に届かない職種や地域では、最低賃金の改定が、そのまま派遣スタッフの賃金の下限を押し上げることになります。

ただし、この比較には注意が必要です。一般賃金の「基本給・賞与・手当等」は賞与を含めて時給に換算した額です。これに対して、最低賃金との比較に使う賃金には賞与が含まれません。したがって、表の差額をそのまま時給の上乗せ幅として読むことはできません。

発注側にとって大切なのは、派遣料金の下限が年に二度動くという点です。10月から12月には最低賃金が変わり、翌年4月には新しい年度の一般賃金が適用されます。派遣契約の更新時期がどちらに近いかによって、派遣元から料金の見直しを求められる時期も変わります。

10月11月12月1月2月3月4月5月地域別最低賃金の改定都道府県ごとに10/1〜12/2に発効一般賃金の適用令和9年度分は2027年4月から派遣料金の下限が動く時期派遣契約の更新時期がどちらに近いかで、料金の見直しを求められる時期が変わります
図2 派遣料金の下限は、秋の最低賃金改定と4月の一般賃金の年二回動きます

■ この章のまとめ

  • 労使協定方式では、令和9年度の一般賃金が2027年4月から適用されます
  • 一般賃金の試算額が最低賃金を下回る職種・地域では、最低賃金が下限になります
  • 包装では43都道府県、製品検査では12県で試算額が最低賃金を下回ります
  • 派遣料金の下限は、秋と4月の二回動きます

派遣先指針の改正点

派遣料金の交渉については、10月1日から派遣先の留意事項が具体的になります。労働者派遣法第26条第11項は、派遣元が派遣労働者の公正な待遇を確保できるよう、派遣先に派遣料金について配慮することを求めています。

厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金改正概要資料」によると、改正後の派遣先指針には次の二つの場合が示されています。一つは、派遣元による派遣料金の交渉に一切応じない場合です。もう一つは、派遣元が賃金などの待遇の確保に必要な額を示して交渉したにもかかわらず、派遣料金がその必要な額を下回る場合です。どちらも、第26条第11項の趣旨を踏まえた対応とはいえないことに留意するとされています。

あわせて、派遣元指針にも、派遣料金の交渉が派遣労働者の待遇改善にとって極めて重要であることを踏まえて交渉に当たり、派遣料金が引き上げられた場合には、できる限り派遣労働者の賃金を引き上げるよう努めることが定められています。職発0828第5号の通達も、この派遣元指針の規定に留意するよう求めています。

つまり、10月以降は、派遣元が最低賃金や一般賃金をもとに必要な額を示してきたとき、派遣先が交渉のテーブルにつかない、あるいは根拠を聞かずに据え置くという対応は取りにくくなります。発注側に求められるのは、提示された額の根拠を確認し、そのうえで協議することです。

! 10月1日から適用

  • 派遣元からの派遣料金の交渉に一切応じない対応は、法の趣旨を踏まえたものとはいえないとされます
  • 待遇の確保に必要な額を示された後に、それを下回る料金に決めることも同様です

取適法と労務費転嫁指針

派遣先指針は派遣契約だけのルールです。それでは、請負や準委任の単価交渉には何が当てはまるのでしょうか。ここで関係するのが、2026年1月1日に施行された中小受託取引適正化法(取適法)と、内閣官房・公正取引委員会の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」です。

公正取引委員会の取適法の概要資料によると、改正で新たに、代金に関する協議に応じないことや、協議で必要な説明・情報提供をしないことによる一方的な代金額の決定が禁止されました。また、適用の基準に従業員数300人(役務提供委託などは100人)の区分が加わりました。製造委託などの対象取引に当たるかどうかは、取引の内容と、発注側・受注側の資本金や従業員数で決まります。そのため、自社の外注契約が対象になるかどうかは、契約ごとに確認する必要があります。

一方、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」は、取適法の対象かどうかにかかわらず、発注者に求められる行動を示しています。この指針は2023年11月29日に策定され、2026年1月1日に改正されました。指針では、発注者が受注者に労務費上昇の理由や根拠資料を求める場合は、都道府県別の最低賃金やその上昇率などの公表資料に基づくものとし、受注者が公表資料を用いて示した希望価格は合理的な根拠のあるものとして尊重するよう求めています。さらに、満額を受け入れない場合は、その根拠や合理的な理由を説明することが求められるとしています。

この二つを合わせると、請負単価の見直しでも、派遣料金と同じ方向の考え方が求められていることが分かります。受託者が拠点のある都道府県の最低賃金の上昇率を根拠に単価の改定を申し出た場合、発注側は内部資料の詳細を求めるより先に、公表資料に基づく根拠として受け止め、協議することが前提になります。

✔ ここがポイント

  • 取適法の対象取引では、協議に応じない一方的な代金決定が禁止されています
  • 労務費転嫁指針は、最低賃金の上昇率を合理的な根拠として尊重するよう求めています
  • 請負単価でも、根拠を確認して協議するという姿勢は派遣料金と共通です

三つの形態の比較

契約形態ごとに並べると、最低賃金が単価に入る経路の違いがはっきりします。

最低賃金の引上げ請負・準委任最低賃金を守る義務:受託者単価:仕事の単位(出来高・業務の量)「人数×時給」で上乗せしない交渉のルール:取適法・労務費転嫁指針(37号告示の判断に注意)労働者派遣派遣先の所在地の最低賃金+ 一般賃金(労使協定方式)派遣料金の下限に直接反映交渉のルール:派遣先指針(第26条第11項)(10月1日から改正適用)
図3 最低賃金が単価に入る経路の違い

※ 取適法は、取引内容と資本金・従業員数の要件を満たす取引が対象です。労務費転嫁指針は取適法の対象かどうかにかかわらず示されています。

この図で見落とされやすいのは、単価の決め方の違いです。派遣料金を時間単価で定めている場合は、最低賃金の上昇分をそのまま時間単価に反映させることができます。これに対して請負と準委任は、時間単価の形に寄せるほど、37号告示の判断で問題になりやすくなります。同じ最低賃金の改定でも、請負単価は仕事の単位で、派遣料金は時間単価で改定するという違いがあります。

契約更新時の確認項目

最低賃金の改定は毎年起こります。そのため、今回の見直しを一回限りの値上げ対応で終わらせず、次回以降も同じ手順で判断できる形にしておくことが役に立ちます。発注側が契約更新の前に確認しておきたい項目は、次のとおりです。

☑ 発注側の確認項目

  • 外注している業務ごとに、契約形態が請負・準委任・派遣のどれになっているか
  • 請負・準委任の単価が、人数や時間ではなく、製品や業務の単位で定められているか
  • 拠点ごとの都道府県と、その最低賃金の額・発効日
  • 特定最低賃金の対象業種の場合、地域別最低賃金とどちらが高いか
  • 派遣元が労使協定方式を採っている場合、どの職種区分の一般賃金を使っているか
  • 派遣契約の更新時期が、秋の最低賃金改定と4月の一般賃金改定のどちらに近いか
  • 受託先から単価改定の申し出があったとき、協議の場を設ける手順が社内にあるか
  • 自社の外注取引が、取適法の対象取引に当たるかどうか

特に最初の二つは、最低賃金とは関係なく確認しておく価値があります。なぜなら、単価の改定をきっかけに契約書を見直したとき、請負のはずの契約が人数と時間で精算する形になっていたと分かることがあるからです。その場合は、単価の額より先に、契約の形そのものを整理する必要があります。

一方で、派遣の場合は、料金の見直しが求められる時期をあらかじめ予定に入れておくことができます。最低賃金と一般賃金はどちらも毎年公表されるため、予算を組む段階で両方の改定を見込んでおくと、交渉が急な話になりにくくなります。複数の拠点を持つ会社であれば、拠点ごとの発効日を一覧にしておくと、更新の時期を決めやすくなります。

株式会社永光は、組立、機械塗装、検査、倉庫業務の受託を行っており、契約形態は請負、準委任、労働者派遣から選んでいただけます。工程ごとにどの形態が合うかのご相談は、製造請負のお問い合わせからお寄せください。

まとめ

この記事では、令和8年度の地域別最低賃金の改定を受けて、請負・準委任・労働者派遣のそれぞれで、最低賃金が単価にどう入り込むかを整理しました。全国加重平均は1,177円となり、発効日は10月1日から12月2日まで都道府県ごとに異なります。

請負と準委任では、最低賃金を守る義務は受託者にあり、最低賃金の上昇は単価を見直す根拠になります。ただし、単価の改定は「人数×時給」ではなく、仕事の単位で行う必要があります。派遣では、派遣先の所在地の最低賃金と一般賃金が派遣料金の下限となり、その下限は秋と4月の年二回動きます。

契約の更新を控えている場合は、「契約更新時の確認項目」で、外注している業務ごとの契約形態と単価の決め方から確認してみてください。受託先から単価改定の申し出があったときは、根拠を確認したうえで協議することが、どの形態でも共通の出発点になります。

用語解説

用語 意味
地域別最低賃金 都道府県ごとに1つずつ定められる最低賃金。産業や職種にかかわらず適用される
特定最低賃金 特定の産業について、地域別最低賃金より高い水準が必要と認められた場合に定められる最低賃金
発効日 改定された最低賃金の効力が生じる日。都道府県ごとに異なる
請負 仕事の完成を引き受ける契約。作業スタッフへの指揮命令は受託者が行う
準委任 業務の遂行を引き受ける契約。指揮命令は受託者が行う
労働者派遣 派遣元が雇用するスタッフを派遣先に送り、派遣先が指揮命令する形態
37号告示 「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」。請負か派遣かを実態で判断する基準
偽装請負 契約は請負や準委任でも、実態が労働者派遣に当たる状態
労使協定方式 派遣元が労使協定を結び、一般賃金と同等以上の賃金などで派遣スタッフの待遇を決める方式
一般賃金 同じ地域で同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金として、厚生労働省が毎年示す額
地域指数 一般賃金の計算で、地域の賃金水準を反映させるための指数。全国計を100とする
取適法 中小受託取引適正化法。2026年1月1日に下請法を改正して施行された法律

出典一覧