ホテル・レストランの婚礼部門〜自社運営と運営委託の違い

ホテル・レストランの婚礼部門の自社運営と運営委託の違いを示すアイキャッチ

このブログの概要|読了目安:約15分

婚礼部門という、ホテルやレストランが結婚式を受けるために置く部門があります。婚礼を本業としないホテルやレストランの経営者がこの部門を設けるとき、選べる方法は「自社の社員ですべて担う」か「すべてを外部の会社に任せる」かの二つだけではありません。

婚礼部門の仕事は、集客・新規接客・打合せ・当日の運営統括という四つの工程に分かれています。そのため、経営者はどの工程を外部に任せるか、いつまで任せるかを組み合わせることで、施設の人員や需要の見通しに合った運営方法を選べます。

婚礼の需要がどれだけ続くかは、施設が婚礼を始める前に見通すことが難しいものです。だからこそ、経営者が婚礼のために社員を採用する前に、任せ方の組み合わせを知っておくことが大切になります。

このブログでは、婚礼部門の運営受託を行う弊社の立場から、工程と期間の組み合わせ方をご説明します。あわせて、外部に任せるときに施設が契約の段階で決めておく点もお伝えします。

■ このブログでわかること

  • 経営者は、外部に任せる工程の範囲と任せる期間の二つを組み合わせて、自社運営か運営委託かを選べます
  • 婚礼が本業でない施設ほど、委託の期間を区切って始めると、需要が見込みと違ったときに実績を見て進め方を変えられます
  • 一部の工程だけを任せる場合は、二人の情報が途切れないように、施設の社員と受託側が担う工程の境目を先に決めておく必要があります
  • 外部に任せる場合は、施設からの連絡窓口と、フリーランス法の義務を施設と受託会社のどちらが負うかを、契約の段階で確かめておきます

婚礼部門で新たに必要になる仕事

ホテルやレストランは、婚礼を始める前から、結婚式の当日に使うものの多くを施設の中に持っています。たとえば、次のようなものです。

  • 会場や宴会場
  • 厨房と料理
  • 宴会のサービススタッフ
  • 施設の名前を知っている既存の顧客

このように、婚礼の当日に使う会場・料理・サービスは、施設の中にすでにそろっています。そのため、施設が婚礼部門のために新しく用意しなければならないのは、会場や設備ではなく、人が担う仕事のほうです。

その仕事とは、宴会の営業やサービスにはない、次の四つです。

  1. 集客:結婚式を挙げたい二人に施設を知ってもらう仕事
  2. 新規接客:見学に来た二人を案内して成約につなげる仕事
  3. 打合せ:成約から当日までの準備を進める仕事
  4. 当日の運営統括:挙式と披露宴の進行を取りまとめる仕事

これらは、結婚式を挙げる二人を見学から当日まで担当する仕事です。宴会の営業やサービスとは求められる経験が違うため、宴会部門の社員がそのまま担えるとは限りません。

施設がもともと持っているもの会場・宴会場厨房と料理宴会サービスのスタッフ施設の名前と既存の顧客婚礼部門として新たに必要なもの集客フェア・媒体・問い合わせ対応新規接客来館した二人への案内と成約打合せ成約から当日までの準備当日の運営統括挙式・披露宴の進行と取りまとめ右の四つの工程を、自社の社員が担うか外部の会社に任せるかを経営者が決めます
図1 施設がもともと持っているものと、婚礼部門として新たに必要なもの

つまり、経営者が自社運営か運営委託かを決めることは、右側の四つの工程を誰がどの期間担うかを決めることです。というのも、会場・料理・宴会サービスは施設がすでに持っているため、外部に任せる必要がないからです。

そのため、施設は、強みである会場・料理・サービスを自社の社員で担ったまま、足りない工程だけを外部の会社に補ってもらうという方法も選べます。

✔ ここがポイント

  • 会場・料理・宴会サービスは、ホテルやレストランが婚礼を始める前から持っています
  • そのため、婚礼部門のために新たに担い手を決めるのは、集客・新規接客・打合せ・当日の運営統括の四つの工程です

任せる工程の範囲と期間

四つの工程を誰が担うかを決めるとき、経営者が組み合わせる軸は次の二つです。

  • 工程の範囲:四つの工程を自社ですべて担うか、一部を外部に任せるか、すべてを外部に任せるか
  • 期間:通年で同じ体制にするか、立ち上げ期や繁忙期などの期間を区切って任せるか
通年で担う期間を区切る自社運営(内製)社員を採用・育成してすべての工程を担う(繁閑に合わせて社員数は変えにくい)一部を受託足りない工程だけを通年で任せる繁忙期や立ち上げ期だけ特定の工程を任せるすべてを受託集客から当日運営まで通年で任せる立ち上げ期だけ任せ、その後に切り替える工程の範囲金の枠は、区切りが来たときに施設が実績を見て体制を選び直せる組み合わせです
図2 任せる工程の範囲と期間で見た自社運営と運営委託

この図で特に見ていただきたいのは、右の列です。期間を区切った委託では、区切りが来たときに施設が実績を見て次の進め方を選び直せます。たとえば、立ち上げ期だけすべてを任せてその後に一部へ切り替えることも、繁忙期だけ特定の工程を任せることもできます。

これに対して、自社の社員だけで通年運営する場合は、期間を区切ることが難しくなります。なぜなら、採用した社員の数は繁閑に合わせて増やしたり減らしたりできないからです。そのため、図2では自社運営の行の右側を薄くしています。

ここで、四つの選択肢を表に並べます。表の右端には、それぞれの選択肢で施設が気をつけることを書いており、中身はこの後の章で順にご説明します。

選択肢 任せる工程 利点 施設が気をつけること
自社運営 なし ノウハウが施設の中に蓄積される 繁閑に合わせて人数を変えにくい
すべてを任せる 集客から当日の運営統括まで 婚礼の経験者が社内にいなくても始められる 婚礼の水準と情報を受け渡す場面は施設が決める
一部を任せる 足りない工程だけ 施設の強みを残したまま足りない工程を補える 任せる工程と任せない工程の境目を先に決める
期間を区切る 立ち上げ期や繁忙期の工程 見込みが外れたときの影響を小さくできる 区切りが来たら実績を見て次の進め方を選ぶ

自社で運営する場合

自社で婚礼部門を運営する場合、施設は婚礼の経験を持つ社員を採用するか、既存の社員を育てることになります。この方法の利点は、次の二つです。

  • 婚礼のノウハウが、施設の社員の中に蓄積されます
  • 二人への案内から当日の進行まで、施設の社員が一貫して担当できます

ただし、婚礼には繁忙期と閑散期の差が必ずあります。そのため、施設が繁忙期に合わせて社員を雇えば閑散期に人員が余り、閑散期に合わせて雇えば繁忙期に人員が足りなくなります。

この問題は、婚礼を専業とする結婚式場も抱えています。

さらに、婚礼の需要がどれだけ続くかが分からない段階で社員を採用すると、需要が見込みを下回ったときに施設が選べる道が狭まります。というのも、婚礼部門を縮小する場合でも、施設は雇用した社員の配置転換や処遇を考えなければならないからです。

! 注意

  • 自社運営では、施設が繁閑に合わせて社員の人数を変えにくくなります
  • 需要の見通しが立つ前に社員を採用すると、婚礼部門を縮小するときに配置転換や処遇の検討が必要になります

繁忙期と閑散期の差に合わせた人員の配置については、プラスワン・プランナーのブログ「繁忙期に向けた業務委託活用」が、統計の数字と法令上の手続の締切をもとに説明しています。自社運営を選ぶ前に、繁忙期の人員をどう補うかを検討したい方は、あわせてご覧ください。

すべてを任せる場合

自社運営と対極にあるのが、四つの工程をすべて外部の会社に委託する方法です。この方法は婚礼部門の運営受託と呼ばれ、受託する会社が集客から当日の運営統括までを担います。そのため、施設の社員は、会場の準備、料理、宴会サービスといった施設側の役割に集中できます。

この方法の利点は、婚礼の経験者が社内にいなくても婚礼部門を始められることです。というのも、受託する会社が人員を手配するため、施設が婚礼のために社員を採用する必要がないからです。

その一方で、すべてを任せる場合でも、施設が自ら決めておかなければならないことが二つあります。なぜなら、婚礼は施設の名前で行うものであり、施設として守りたい水準は受託する会社だけでは決められないからです。

  • 施設として提供したい婚礼の水準:料理の内容、会場の使い方、施設の名前で行う婚礼としての品位などは、受託する会社に任せきりにせず、施設が基準を示す必要があります
  • 情報を受け渡す場面:二人の情報や当日の進行について、施設の社員と受託側がどの場面で、誰から誰へ情報を受け渡すかを、施設が決めておきます

この点について、プラスワン・プランナーのブログ「箱貸し&業務委託化〜ダメな例と良い例〜」では、業務委託を人手の穴埋めやコスト削減だけに使うと会場の価値を損なうという考え方を、結婚式場の側から述べています。施設が水準を自ら決めておく理由を、会場の立場から知りたい方はご覧ください。

✔ ここがポイント

  • すべてを委託する方法なら、婚礼の経験者がいない施設でも、社員を採用せずに婚礼部門を始められます
  • ただし、施設として守りたい婚礼の水準と、情報を受け渡す場面は、施設が自ら決めます

一部を任せる場合

すべてを委託する方法とは別に、施設の社員では足りない工程だけを外部に委託する方法もあります。たとえば、施設の状況によって、次のように任せる工程が変わります。

施設の状況 任せる工程
宴会営業の経験がある社員が打合せと当日の運営を担えるものの、見学に来た二人の成約に課題がある 新規接客だけ
集客と新規接客は社員で回せていても、施行の件数が増えて手が回らない 打合せと当日の運営

一部を委託するときに大切なのは、任せる工程と任せない工程の境目を、施設と受託側で先に決めておくことです。というのも、婚礼の仕事は、次のように工程同士がつながっているからです。

  • 新規接客で二人から聞いた希望が、打合せに引き継がれます
  • 打合せで決めたことが、当日の進行につながります

そのため、境目があいまいなままだと、施設の社員と受託側の担当者がそれぞれ二人に同じことを聞いたり、伝わっているはずの希望が当日に反映されなかったりするおそれがあります。

また、施設が任せる工程を選ぶときは、その工程を担う人にどのような経験を求めるかも決めておきたい点です。参考までに、弊社の事業紹介ページでは、弊社に登録するフリープランナーの基準を、次のように工程ごとに分けて示しています。

工程 ウエディングプランナー経験 もう一つの基準
新規接客 2年以上 成約率50%以上
施行担当 2年以上 担当組数150組以上

弊社が工程ごとに基準を分けているのは、新規接客では見学に来た二人を成約につなげた実績が、施行担当では担当した組数の経験が問われるからです。そのため、施設が一部の工程を任せるときも、その工程に合った経験を受託側に確かめておくと安心です。

☑ 一部を任せる前に決めておくこと

  • どの工程を受託側に任せ、どの工程を施設の社員が担うか
  • 工程の境目で、二人の情報を誰から誰へどのように引き継ぐか
  • 任せる工程の担当者に、どのような経験を求めるか
  • 婚礼の当日、施設の社員と受託側の担当者がそれぞれ何を判断するか

期間を区切る場合

施設は、工程の範囲に加えて、委託の期間を区切ることもできます。婚礼が本業でない施設にとって、この期間の軸は特に意味を持ちます。なぜなら、婚礼の需要がどれだけ続くかを、始める前に見通すことは難しいからです。

期間の区切り方には、次の二つの方法があります。

  • 段階的に移す方法:立ち上げ期だけすべての工程を任せ、社員が育った工程から施設側に移していきます
  • 繁忙期だけ任せる方法:通常は施設の社員で回し、繁忙期だけ特定の工程を委託します
立ち上げ期すべてを受託集客・新規接客・打合せ当日の運営統括を任せる定着期一部を受託社員が育った工程から施設側に移していくその後次の体制を選ぶ自社運営/繁忙期だけ受託または受託を続ける婚礼の需要が見込みより少なかった場合は、受託の終了で部門を閉じられます雇用した社員の配置転換や採用計画の見直しを、急いで行う必要がありません
図3 立ち上げ期から段階的に委託の範囲を変える例

期間を区切った委託の利点は、需要の見込みが外れたときに施設が受ける影響を小さくできることです。というのも、区切りが来たときに、施設は実績に応じて次のように選べるからです。

  • 需要が見込みより少なかった場合:受託の期間が終わった時点で、部門を閉じるという判断ができます
  • 需要が見込みを上回った場合:受託を続けるか、社員を増やして自社運営に移るかを、実績を見たうえで選べます

つまり、期間を区切ることは、婚礼を続ける道とやめる道の両方を施設に残しておくことです。なぜなら、社員の採用は一度行うと簡単には戻せませんが、受託の期間は契約で定められるからです。

■ この章のまとめ

  • 委託の期間の区切り方には、立ち上げ期から段階的に施設側へ移す方法と、繁忙期だけ委託する方法があります
  • どちらの方法でも、区切りが来たときに、施設は実績を見て次の進め方を選び直せます

指揮命令と契約の注意点

外部に委託するときは、施設が契約の段階で確かめておくべき点が二つあります。指揮命令の関係と、フリーランス法の義務です。というのも、どちらも確かめないまま運営を始めると、施設が法律上の責任を問われるおそれがあるからです。

指揮命令の関係

運営を会社に委託している場合、施設の社員が受託側のウエディングプランナーに直接作業の指示を出すと、契約が委託であっても、実態として労働者派遣と判断されることがあります。その根拠は、次の厚生労働省の二つの資料です。

厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号、以下「37号告示」)は、契約が請負であっても、受託者が自ら作業者を指揮し、業務を独立して処理していなければ労働者派遣事業として扱うと定めています。さらに、厚生労働省の「37号告示に関する疑義応答集(第3集)」は、準委任契約であっても、発注者と受注者側の労働者の間に指揮命令関係があれば労働者派遣事業に当たるとしています。

婚礼の当日は、宴会サービスの社員と受託側のウエディングプランナーが同じ会場で動きます。そのため、施設の社員が、進行の変更や急な依頼をその場でウエディングプランナーに直接伝えたくなる場面があります。

そこで、施設からの連絡は受託側の責任者を通すという窓口を、施設と受託側が契約の段階で決めておくことが大切です。そうしておけば、当日の急な依頼も受託側の責任者からウエディングプランナーに伝わるため、施設の社員が直接指示を出すことにはなりません。

請負・準委任・派遣の違いについては、弊社のブログ「工程別に見る請負と派遣の選び分け」で、製造工程を例にご説明しています。婚礼以外の業務も含めて契約の違いを知りたい方は、あわせてご覧ください。

フリーランス法の義務

「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス法)は、2024年11月1日に施行されました。この法律で業務を委託する事業者に課される主な義務は、次のとおりです。

  • 取引条件の明示:従業員を使用しない個人などに業務を委託する事業者は、取引条件を書面や電子メールなどで明示します(第3条)
  • 報酬の支払期日:従業員を使用する発注事業者は、役務の提供を受けた日から60日以内のできる限り短い期間内に、報酬の支払期日を定めます(第4条第1項)
  • ハラスメントの相談体制:従業員を使用する発注事業者は、ハラスメントの相談に応じる体制を整えます(第14条)
  • 解除や不更新の予告:6か月以上継続する委託を解除したり更新しなかったりする場合は、少なくとも30日前までに予告します(第16条、同法施行令第3条)

これらの義務を施設と受託会社のどちらが負うかは、契約の結び方によって変わります。というのも、義務を負うのは、ウエディングプランナーと直接契約を結んだ側だからです。

契約の結び方 ウエディングプランナーに対する義務を負う側
施設が個人のフリープランナーと直接契約する 施設
施設が会社に運営を委託し、その会社がウエディングプランナーに再委託する ウエディングプランナーと契約する会社

なお、施設から委託を受けた会社がウエディングプランナーに再委託する場合、報酬の支払期日については、第4条第3項に、元の委託の支払期日から30日以内とする特例があります。そのため、再委託を受けたウエディングプランナーへの支払期日は、施設と受託会社の間の支払期日をもとに決まります。

! 注意

  • 施設の社員から受託側のウエディングプランナーへ直接指示を出すと、偽装請負と判断されるおそれがあります
  • 施設が個人のウエディングプランナーと直接契約する場合は、フリーランス法の義務を施設が負います

委託を選ぶ三つの問い

ここまでの内容をもとにすると、経営者は次の三つの問いに順に答えることで、自社運営か運営委託かを絞り込めます。

  1. 婚礼の需要がどれだけ続くかを見通せるか:見通せないのであれば、期間を区切った受託から始めるのが妥当です。なぜなら、見通しが立たないまま社員を採用すると、婚礼部門を縮小するときに施設が選べる道が狭まるからです
  2. 婚礼の経験者が社内にいるか:いないのであれば、すべての工程を任せ、施設の社員は会場・料理・サービスに集中する方法が考えられます。というのも、受託する会社が人員を手配するため、施設が婚礼のために採用を行わずに済むからです
  3. 足りないのが特定の工程だけか:そうであれば、その工程だけを任せれば足ります。なぜなら、社員で回せている工程は、会場・料理・サービスと同じく施設に残せるからです
問1婚礼の需要がどれだけ続くか、まだ見通せないはい期間を区切った受託から始めるいいえ問2婚礼の経験者が社内にいないはいすべてを受託する(社員は施設側の役割に集中)いいえ問3足りないのは特定の工程だけはいその工程だけを受託(新規接客/施行担当)自社運営(必要に応じて繁忙期だけ受託)
図4 経営者が自社運営か運営委託かを決める三つの問い

三つの問いのどれにも当てはまらない施設、つまり需要の見通しが立ち、経験者がいて、工程にも不足がない施設には、自社運営が合っています。なぜなら、採用した社員を通年で生かせる見通しがあり、外部に任せる工程もないからです。ただし、その場合でも繁閑の差は残るため、繁忙期だけ特定の工程を任せるという組み合わせは選択肢に残ります。

弊社は、婚礼施設・ホテル・レストランの婚礼部門の運営受託を行っており、集客・新規接客・打合せ・当日の運営のすべて、または一部の受託に対応しています。また、需要の見通しが立たない施設でも期間を区切って始められるように、段階的な導入や特定期間のみの受託にも対応しています。

よくある質問

Q婚礼部門を設けるとき、会場や料理まで外部に任せるのですか?

Aいいえ、施設が誰に担わせるかを決めるのは、集客・新規接客・打合せ・当日の運営統括の四つの工程です。というのも、会場・料理・宴会サービスは、多くの施設が婚礼を始める前から持っているからです。そのため、会場・料理・サービスは施設に残したまま、足りない工程だけを外部に補ってもらえます。

Q需要の見通しが立たない場合は、どこから始めればよいですか?

A期間を区切った受託から始めるのが妥当です。なぜなら、区切りが来たときに、施設は実績を見て、受託を続けるか、自社で運営するか、部門を閉じるかを選び直せるからです。

Q一部だけを任せるとき、先に決めておくことは何ですか?

A任せる工程と任せない工程の境目です。というのも、新規接客で聞いた希望は打合せに、打合せで決めたことは当日の進行につながるからです。境目があいまいなままだと、二人に同じことを何度も聞いたり、希望が当日に反映されなかったりするおそれがあります。

Q当日、施設の社員が受託側のウエディングプランナーに直接頼んでもよいですか?

A施設の社員が直接作業の指示を出すと、契約が委託であっても、実態として労働者派遣と判断されることがあります。そのため、施設からの連絡は受託側の責任者を通すという窓口を、契約の段階で決めておくことをおすすめします。

Qフリーランス法の義務は施設が負うのですか?

A契約の結び方によって変わります。施設が個人のフリープランナーと直接契約する場合は施設が義務を負い、施設が会社に運営を委託してその会社が再委託する場合は、ウエディングプランナーと契約する会社が義務を負います。

まとめ

このブログでは、婚礼を本業としないホテルやレストランが婚礼部門を設けるときの選択肢を、任せる工程の範囲と期間の二つの軸に分けてご説明しました。その理由は、婚礼部門の仕事が集客から当日の運営統括までの四つの工程に分かれており、しかも婚礼の需要がどれだけ続くかを始める前に見通すことが難しいからです。

だから、婚礼部門は「自社で運営するか、外部に委託するか」の二択ではなく、どの工程をいつまで任せるかの組み合わせとして考えられます。とくに需要の見通しが立たない施設は、期間を区切って始めることで、実績を見てから次の体制を選べます。

■ このブログの要点

  • 会場・料理・宴会サービスは施設がすでに持っていることが多いため、婚礼部門のために新たに担い手を決めるのは、集客・新規接客・打合せ・当日の運営統括の四つの工程です
  • 婚礼が本業でない施設にとって特に意味を持つのは期間の軸で、需要がどれだけ続くかを始める前に見通しにくいことがその理由です
  • 期間を区切って始めれば、施設は実績を見たうえで、受託を続けるか、自社で運営するか、部門を閉じるかを選び直せます
  • 外部に任せるときは、施設の社員から受託側への連絡を責任者経由にすることと、フリーランス法の義務を誰が負うかを、契約の段階で確かめておく必要があります

☑ 次にすること

  • 図4の三つの問いに、自社の施設の需要の見通し・経験者の有無・足りない工程を当てはめてみます
  • 「はい」となった問いに応じて、期間を区切った受託・すべての受託・一部の受託のどこから検討を始めるかを決めます

弊社は、すべての工程の受託から、特定の工程や期間だけの受託まで対応しています。施設に合った運営方法のご相談は、婚礼施設の運営受託のお問い合わせからお寄せください。

用語解説

用語 意味
運営受託 施設から婚礼部門の運営の全部または一部を引き受けること
新規接客 見学に来た二人に会場やプランを案内し、成約につなげる業務
施行 成約した婚礼を、打合せから当日の進行まで担当して実施すること
請負 仕事の完成を目的とする契約(民法第632条)
準委任 法律行為でない事務の処理を委ねる契約(民法第656条)。業務の遂行を引き受ける
37号告示 「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」。請負か派遣かを実態で判断する基準
偽装請負 契約は請負や準委任でも、実態が労働者派遣に当たる状態
フリーランス法 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」。2024年11月1日施行
特定受託事業者 業務委託の相手方で、従業員を使用しない個人や、代表者以外に役員も従業員もいない法人
継続的業務委託 フリーランス法で、6か月以上継続して行う業務委託。解除の予告などの義務の対象になる

出典一覧

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製造の現場も、婚礼の現場も、人で支えています

製造では組立から倉庫業務まで請け負っています。婚礼では登録フリープランナー60名・施行実績2,500組超。まずは今の状況をお聞かせください。